http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87441170Z20C15A5000000/
現役続行の浅田真央「継続は自分を高めてくれる」
2015/6/1 2:00日本経済新聞
5月18日、現役続行を表明したフィギュアスケートの浅田真央(24)。1年に及ぶ休養期間には、今までできなかった様々なことを経験した。中でも、自ら志願したのが、京都・祇園での舞妓(まいこ)体験だ。祇園のお茶屋を訪ね、京舞井上流の井上安寿子氏が「普段ははんなりした方だけれど、ものすごい」と驚嘆したという集中力で舞いを習得。高機能マットレスを製造販売するエアウィーヴ(東京・中央)のCMでは自ら舞妓姿になり、名前が同じ読み方の芸妓(げいこ)、「祇をん 真生」さんと共演した。浅田は「キュッと気持ちが引き締まる感じ。演技に生きると思います」と語った。
■復帰に向け、自分のペースで練習開始
――なぜ、今のタイミングで復帰しようと思ったのか?
「うーん、実際のところは年が明けるころから、試合に出るのかな?と思い始めて、それから徐々に復帰に向けて自分のペースで練習を開始した。5月に入って、スケートシーズンが終わり、落ち着いたところだったので、『また指導してください』と、(コーチの佐藤)信夫先生に挨拶して始めました」
――京舞をやりたかった理由とは?
「イベントで舞妓の体験をしたんです。エアウィーヴさんに『また是非やってみない?』と言われて、私もやりたいなと思っていたのでCMを撮ることになった。だったら、舞妓さん、芸妓さんがいつも稽古している本格的な日本舞踊をやりたいです、と言いました」
――演技を披露するスケートと京舞に共通点があるように思うが、参考になったことは?
「詳しいことは分からないので、何ともいえないんですけど、ずっと低い姿勢のまま舞うので大変でした。これまでやってきたスケート、バレエと同じで、体の軸が大切と感じました。『舞う』ということでは、礼儀とか、舞うときの姿勢とか、似ている部分はあると思います」
――着物はよく着る?
「そんなに機会はないけれど、私はすごい好きです。日本の伝統ですし、日本人として着ると身が引き締まる。しぐさもきれいになりますし、日本人に生まれてよかったと思います。舞妓姿は着付けもメークも髪を結うのも時間がかかるので大変だと思いました」
CM発表会で、祇園の芸妓の真生さん(右)と京舞の形を披露する浅田
■日本の伝統文化、もっと発信したい
――海外に行くことが多いが、京都での経験をする前と後で何か違いはあるか?
「海外の方は日本の文化が好きなので(興味を持ってくれるが)、私たちの世代はそこまで着物を着る機会がない。もっともっと日本の伝統文化を発信していきたい」
「京都は(自分が住んでいる)名古屋からも近いのに、今まで行ったことがなくて、とても残念に思ってました。京都には芸妓さん、舞妓さんがいて、毎日お稽古して、三味線や歌の稽古もしてお座敷に出ることも、今回休養しなければ分からなかった。すごくいい経験でした。今回の撮影やポスターを通じて、日本の文化・伝統の良さを知ってもらえればいいと思います」
――毎日、稽古をして芸を披露する。芸妓や舞妓の生活はアスリートに通じるところもあるのでは?
「真生さんとは食事に行って、お話ししました。詳しくは分からないけれど、何でもお仕事は一緒だと思う。毎日、継続してやるのは大変だけれど、自分を高めてくれる。生き生きした生活ができると思います」
京都は今回のCM撮影まで行ったことがなかった
■東北の被災地訪問や料理教室も
――このような凝ったテレビCMは試合があるときはできなかった。休養中はほかに何をしていた?
「競技をしていたら今回の撮影はできませんでした。こういう風に体験させてもらってうれしいですね。ほかには国内旅行に行ったり、ラジオのパーソナリティーをさせてもらったり、東北地方の被災地を訪問したり、スケート教室をしたり、お料理教室も行った。そうそう、大学も卒業しました。1年間、あっという間に過ぎてしまった」
「今までは毎日、決まった生活をしていて、とにかく時間がない。休みや暇な時間も体を休めるためのものだったから、(休養直後は)『私、何をやったらいいんだろう』となってしまって、逆に家の中に引きこもってしまうことが多くて、それがすごい嫌で、といったことはありました」
「毎日、何かやるのが当たり前の生活だったから、(時間がたっぷりあることに)戸惑ってしまいました。競技をしていた時よりはゆっくりと、後の時間を気にすることなく過ごせたと思います。もう10代の体ではないので、今後は(練習をこなした)1週間の疲れをためないようにしたいですね」
休養直後は「何をやったらいいか」と思ったが、東北地方の被災地訪問もした
――最大どれくらいリンクから離れたのか? 休養中、やりたいことはやり尽くした?
「1カ月くらい……、2カ月? 2カ月半ですかね。(リンクが)恋しくはならなかったんですけど、スケート教室やアイスショーがあり、いずれにしろ滑らないといけない状態だったので、それが(現役復帰への)最後の糸をつなげてくれたのかな、と思います」
「(また忙しい生活が始まるが)残念だとかいう感じはないですね。ほんと、1年間パワーチャージしたなって思います。やりたいことはやり尽くしました」
(編集委員 関口和一、原真子)
やりたいことをやり尽くした1年間。パワーを蓄えた
「日本人に生まれてよかったと思います。」は、とても素敵な言葉です。
真央ちゃんは、本当に有意義な一年を過ごせたのですね。
現役続行、頑張って下さい。(^∇^)
新プログラムが、楽しみです。
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